先天性の生理不順・そんな私が不妊治療を始めた理由
私は保育士をしています。
幼いころから保育士になることが夢で、子どものことが大好きでした。
しかし、自分の体の異変に気づいたのは18歳のころです。
周りの同性にくらべて生理が来るのがかなり遅く、次の生理がなかなか来ないこともしばしば。
当時の私は「大丈夫だろう」という気持ちで自分い言い聞かせ、産婦人科へは通っていませんでした。
しかし、両親の心配もあり、高校卒業と同時に産婦人科へと足を運ぶことにしました。
診察は終わり、『まぁ、何かあるだろうけど大丈夫』と思っていました。
診断の結果は『卵巣が冬眠状態にある』という医師の診断結果。
どういうことかわからないまま医師に淡々と説明されたのを覚えています。
つまり、卵巣が正常に機能していない可能性があり、現状では妊娠ができるかどうかもわからない。
詳しく検査していく必要があるとのことです。
不妊治療薬が処方され、整理を誘発する生活が始まりました。
毎月生理を起こすために
まずは生理不順を調整するために『ルナベル配合錠LD』という薬を処方され、経過を診ることに。
処方された薬を飲むと生理が来るので安心し、とりあえずはと思いながら24歳までこの治療方法を続けていました。
経過は変化なし、治療方法の変更へ
薬を飲めば生理は来るものの、自発的に生理が起こることはありませんでした。
不安が大きくなるばかりで、専任の医師に相談しました。
そこの産婦人科の勧めもあり、別の大きな病院で現状をもっと詳しく診てもらうことになりました。
通院生活が約2年
勧められた病院はかなりの遠方で、夜行バス、もしくは飛行機で1か月1回通院する必要がありました。
夫に相談すると『可能性が1%でもあるのなら行こう』と言ってくれて、通院を開始することに。
そこで血液検査をしてもらうと、月経不全との診断結果…。
はじめて聞く病名だったので、説明を聞いていると、
症状でいえば「更年期障害と同じような症状」のようで、月経がこないのだそう。
まずは子宮内膜の萎縮を防ぐため引き続き薬が処方されることになりました。
それでも症状は改善されず
3日に1回は自分で腹部に注射を打ち、治療を続けてきましたが、結果は改善されず…。
ただ、卵巣の状態が少し良くなったので、『卵巣の片方をて摘出し、卵子の数を確認する』ことになりました。
もし卵子が確認できなかったら、「体外受精」をを行うか、養子縁組に申し出るか、それか夫婦2人の生活をすると決めるか。
洗濯する必要があると医師から言われました。
卵巣が1つなくなる。
本当に大丈夫なのだろうか…。
もしなかったら今後どうしていこうか。
不安は大きかったですが、悩んでいても結果は変わらない。
そう思い、わずかな希望にかけて手術を行いました。
手術の結果
手術は無事終了。
術後、私は丸1日は寝ていたので、翌日夫が手術結果を教えてくれました。
『結果だけど、摘出した卵巣からは卵子が確認できなかったそうだ』
なんとなく予想はしていたものの、悲しみがあふれてきました。
でも夫から、『まだ何か別の方法があるかもしれないし、これから一緒に考えよう』
という言葉をかけてもらい、なんだか心が救われました。
それから夫婦で話し合い、『一度不妊治療はやめる』ということになり、
当分は地元の産婦人科で生理用の薬をもらう生活に戻りました。
夫婦で、何か肩の荷が下りたようでした。
予想もしていなかった
不妊治療を中断してから約1年が経過したころ、生理用の薬を毎月飲んでいましたが生理が来ませんでした。
これはおかしいと、仕事から帰った夫にすぐに報告。
『薬が効かないなら明日産婦人科にいかないと』話すと
『違うと思うけど、僕たちは経験できなかった妊娠検査薬買ってこようか??』
といわれ、冗談半分で台風の中買ってきてもらうことに。
検査をしてみると、妊娠の縦線が….。
『線はいってる!!』
思わずトイレの中で大声で叫んでしまいました。
ただ、薬の関係で妊娠の結果が出るとも言えれていたので、その場で鵜呑みにせず、翌日産婦人科で見てもらうことに。
産婦人科へ夫婦で向かい、検査結果を見てもらうことに。
医師からの一言
「妊娠しています」
私は涙が止まりませんでした。
これまで夫婦で苦労したことは無駄じゃなかったんだって。
そう思えました。
その後は経過も順調に進み、無事に元気な男の子を出産することが出来ました。
家族でよかったと一安心です。
産後の検査では、子宮が不妊治療を行っていた時の状態に戻っていると言われ、
また不妊治療を行う必要があると話をされました。
私は現在も薬を服用し、生理を誘発しています。
不妊治療で悩まれている方へ
不妊治療は本当に終わりのない戦いです。
精神的につらくなり、考え込んだり、怒鳴ったり、泣いてしまったり、とにかく不安定になりがちです。
なかなか現実を受け入れられません。
それでも、どうか一人で悩まず、産婦人科や同じ悩みを持った方に相談をしてみてください。
また、不妊で悩んでいるパートナーの方、
腹が立つかもしれませんが、『もしも自分がそうだったら…。』
と思いながら接してあげてください。
話し方や言葉のかけ方、遊びに行く場所、すべてが心に伝わります。
医療技術がもっと進歩し、子どもを心から欲しいと願う家庭に、妊娠・出産が訪れますように。